固定資産の交換特例~鑑定評価の活用場面⑥~

1.交換した場合でも所得税がかかる!?

国税庁によると、「交換」は原則として「譲渡」と同じとみなされます。したがって、交換により譲渡した資産の含み益については、譲渡した場合と同様に所得税が課税されます。

2.等価交換の場合には交換特例が適用できます。

しかしながら、等価での交換等の場合、金銭の授受もないため一定の要件を満たした場合に、譲渡がなかったものとして課税を繰延べる固定資産の交換の特例という制度が設けられています。

※交換特例の要件

  • 交換により譲渡する資産および取得する資産は、いずれも固定資産であること。不動産業者などが販売のために所有している土地などの資産(棚卸資産)は、特例の対象になりません。
  • 交換により譲渡する資産および取得する資産は、いずれも土地と土地、建物と建物のように互いに同じ種類の資産であること。この場合、借地権は土地の種類に含まれ、建物に附属する設備および構築物は建物の種類に含まれます。
  • 交換により譲渡する資産は、1年以上所有していたものであること。
  • 交換により取得する資産は、交換の相手が1年以上所有していたものであり、かつ交換のために取得したものでないこと。
  • 交換により取得する資産を、譲渡する資産の交換直前の用途と同じ用途に使用すること。
  • 交換により譲渡する資産の時価と取得する資産の時価との差額が、これらの時価のうちいずれか高い方の価額の20パーセント以内であること。

3.交換する資産の時価の差額はいくらか分かりますか!?

交換特例の要件を適用するにあたり問題となるのは、交換する資産の時価の差額が20%以内か否かを判定することであると思います。
この場合、客観的な時価の証明資料として、不動産鑑定士による鑑定評価書の取得をお勧めいたします。

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